移住と子育てParenting style

見つけたのは

心潤う暮らしの風景

佐伯市

ゆっくり歩く
ホッと一息つく
友人と語り合う
見えていなかった世界が
自分を取り戻してくれる
心満たす暮らしは
おだやかな時間が流れる
海辺の地にあった

穏やかな海と緑豊かな山々に囲まれた佐伯市。豊後水道で育った海の幸、ミネラル満載の山の幸にも恵まれた贅沢な地。

結婚が人生を見つめ直す転機に

美しいリアス式海岸と、豊富な森林資源を持ち、九州一広大な面積を誇る佐伯市。この街で『cafe koyomi』を経営する増村さん。大学卒業後、10年間東京の飲食店で働き、また、その間1年半はフードスタイリストのアシスタントを務めながらキャリアを積み上げてきた。そんな増村さんは、結婚によって人生の転機が訪れた。

「移住してよかったことしかない」と笑顔で話す増村さん

「朝8時から深夜まで仕事をして、休みもいつ取れるかわからないような忙しい毎日を過ごしていた頃、支えてくれていた夫と結婚することになったんです。夫に、実家の仕事を手伝うために地元へUターンしようと思ってる、と言われて。30歳になって、働き方や自分のやりたいこととのギャップに悩んでいたので、二つ返事でOKしました」佐伯市には一度も訪れたことがなかったという増村さんだが、自身のライフスタイルを見直すきっかけにと、夫と共に移住を決めた。

産後はkoyomiで一番人気のグリーンカレー、スコーンを提供。今後、サンドイッチやホットサンドなどメニューを増やしていく予定。

カフェという場が繋ぐ縁

移住後、地元のレストランでアルバイトをしていたときに、ある想いが芽生えた彼女は、2年前にカフェをオープンした。「市内に、同じ子育て世代が多いことを知り、今までの経験をもとにカフェをオープンすれば需要があると思ったんです」お店をしようと動き始めてからは、店舗兼住宅を賃貸し、創業支援の制度を使ってリノベーション。

妊娠しているお客さんも多いことから、ドリンクメニューには、デカフェ(ノンカフェイン)コーヒーもラインアップしている。

自家栽培の野菜を使った、こだわりのカフェメニューを提供するお店は、増村さんの人生を支える、多くの方と出会うきっかけにもなっていく。「この場がいい繋がりを生んで、相談できる相手も増えました」仕事に追われていた東京の働き方とは一転。お客さん一人一人と向き合って、会話を楽しみながらゆっくりと接客できるのは、忙しさに追われて見失いがちだった、自分の理想とする働く空間だ。環境の変化は、自分を取り戻す機会となった。

空き店舗をリノベーションし、白を基調とした店舗に変えた。店内には増村さんお気に入りのアーコールチェアが並ぶ。

働く女性の仲間が生きる力に

2018年、増村さんは男児を出産。東京にいた頃は考えられなかった子育てと仕事との両立も、地方でなら当たり前の光景だ。「地方では、子育てしながらお店を経営している女性が多い気がします。私の周りにも、ドライフラワー作家さんとか美容師さんとか、子育てと自営の仕事を両立しながら活躍している女性がいるので、勇気づけられますし、自分の生きる力になっています」。義両親の支えもあり、出産後はすぐにカフェを再開。さらに、働く女性の仲間たちとイベントを開催したりと、精力的に活動を行なっている。

「自分好みの商品が見つかる」と、増村さんの心の支えになっているセレクトショップ。地元にUターンしたオーナーさんはよき相談相手。

「東京にいた頃とはまた違う忙しさはありますが、自分や家族のために使える時間が圧倒的に増えました」。環境の変化は、時間の使い方も価値観も大きく変えた。「物や店も少ないけれど、だからこそ、本当にいいものに気づくことができる」。
今までは溢れすぎていて見えていなかった価値に、一つ一つ、丁寧に向き合うことで気づいた増村さん。心を満たす人との出会いを支えに、地方で見つけた、新しい暮らしの風景を楽しんでいる。

提供する料理も商品も、器やカトラリーなどのテーブルウェアも。一つ一つ増村さんのセンスが光るアイテムが出迎えてくれる。

美味しい食材が佐伯の魅力

栃木県出身ということもあり「海がある暮らしが、新鮮で嬉しい」とにこやかに話す増村さん。「佐伯に来て驚いたのは、魚の美味しさです。地元や東京で売られていた魚はあまり鮮度の高いものがなかったので、佐伯に引っ越したときには、近くのスーパーで新鮮な魚が安く売られているのはびっくりしました。それに主人の実家には、魚屋さんがトラックで販売にくるんですよ(笑)。新鮮な食材に囲まれる暮らしというのは、本当に贅沢だなと感じています」。豊後水道に面し、毎日新鮮な魚介類が水揚げされる佐伯市。海や山に囲まれた暮らしの贅沢さに、増村さんは日々驚きを感じているのだそう。

身体の中からポカポカ温まる、自家製の「ジンジャーシロップ」。夏は炭酸水と割ってジンジャーエールに、冬はホットでいただきたい。

「祖母と主人が畑をしているので、カフェで提供するメニューは、可能な限り自家栽培のものを使っています。今までは、高い金額をかけてでもオーガニックの食材を使うことが良いと思っていましたが、そこにこだわらなくても、地域で育った安全で美味しい素材が手に入るので十分。添加物をなるべく使わず、素材の味を生かせるように手作りする。それが『koyomi』のこだわりです」。“食”の第一線で活躍してきた増村さんだからこそ、食材の豊かさに対しての感銘は人一倍。すぐそばに溢れている、生産者の顔が見える地産地消の素材や、無農薬の安心食材を主役に取り入れながら、カフェで、自然の恵みの美味しさを伝えている増村さん。今日も、友人たちと美味しい時間を共有しながら、賑やかな日々を過ごしている。

移住した人Local Person

増村 夢香さん

栃木県出身/Iターン/カフェ経営

栃木県出身。東京の大学卒業後、都内の人気カフェで店長を務めたのちフードスタイリストのアシスタントを経て、レストランの立ち上げなどに携わるなど、食の第一線で活躍。結婚後、夫が佐伯市へUターンするのに伴って移住。子育てをしながらカフェを経営。

cafe koyomi
お気に入りを詰め込んだカフェ

こだわりのインテリアと食器が並ぶ店内では、地元で採れた美味しい食材を活かしたメニューを提供。

大分県佐伯市大手町2-2-7

TEL:050-1581-5138

12:00-16:00 金土日のみ営業

佐伯の暮らしマップLocal Map

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